2007-07-11

CAST: Exploratory testing

出張に来たのはCAST(Conference of the Association for Software Testing)の出席が目的だ。今年も色々海外に行くが、一番楽しみにしているカンファレンスである。AST(Association for Software Testing)のカンファレンスだが、いわゆる学術系の学会ではないので、非常にプラクティカルである。

ASTは日本でも有名なCem Kanerが創立したもので、アメリカの有名なコンサルタントが多数参加している。ただしSQEとはつかず離れずといった感じのようで、Rex BlackやRick Craigはいない。まぁRexがいないのは資格制度に関するCemとの抗争のせいで、今頃イスラエルにいるからなのだが。CASTをISSTAやISTQBミーティングとぶつける(ISTQBが後に決まったのだが)あたり、欧米は欧米で色々大変なのね、という感じである。一応Lee Copelandが基調講演なのだが、そそくさと帰ってしまった模様だ。

CASTはJames BachやHarry Robinson、Danny Faught、Doug Hoffman、Robert Sabourin、Michael Boltonなど、スゴイ顔ぶれが揃っている。カンファレンスチェアのJon Bachは、James Bachの弟のようでビックリ。でも性格はあまり似ておらず、兄はラジカル、弟はジェントルで面白い。まぁチェアだから神経を使っていたのかな。見た目はブルーザー・ブロディみたいだけど。

どうもこの辺の人達の好みは、Exploratory testingとAutomationのようだ。テストエンジニアとしてプライドがあるので、Prescriptedな人手のテストをバカにする傾向がある。まぁ言われてみればそうだが。でも我が日本には、そんな偽装派遣のテストオペレータが多いのも事実であり、とても悲しむべき状況である。

Exploratory testingとは、テストエンジニアの高度な「鼻」を駆使して、テストを実施しながらバグの出そうな方向へどんどんシフトするというものだ。Ad hoc testingと混同しないように。ランダムではなく、あくまで高度な「鼻」を駆使する点が特徴的だ。あくまで雰囲気のことだが、アジャイルっぽい。

というわけで、日本のテストエンジニアを元気づけるべく、次回のJaSST東京ではExploratory testingの紹介でもしてみようかしら。Exploratory testingをマネジメントするために、Session-based testingというのもあるようだし。といっても、単に2時間くらいで区切るだけです。はい。

細かい定義ややり方については調べていくので、随時blogにアップします。するつもり。あくまで、つもり。

個人的には、Systematic testingとExploratory testingをどう融合してマネジメントするか、がポイントだと思う。Harry Robinsonに質問した時には、「Model-based testingのモデルをExploratoryに改善するんだよ」と言っていたが、単にExploratory testingをするだけでは品質保証はできない。Systematic testingでは、最高速かつ最高精度でバグ出しはできない。そのバランスが必要で、それが難しいのだ。

去年のJaSST東京ではModel-based testingの紹介をしたので、同じようにやればよいかな。でも、もう一人の事例発表はどうしよう。日本一のテストエンジニアって誰だろう...。多分、アジャイル風な雰囲気(決してアジャイル方面という意味ではない)がいいんじゃないかな。

そういう人、いませんか。心当たりがあったら、紹介してくださいまし。

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