2007-09-28

SIGSE

京都で情報処理学会のソフトウェア工学研究会(SIGSE)の研究発表会に参加してきた。残念ながら前後に仕事があり、学生さんの発表が2件とプロ研究者(?)の発表を2件聴いてきた。

研究室のゼミだと問題点を指摘する役回りなので、どうしても改善すべき点を探してしまう。しかしこういう場では、最近、その研究の持つ発展性を考えて質問やコメントをするようにしている。人の研究を理解して発展可能性を想像するというのは難しいが、研究者として重要な役割だと思う。まぁ人のアラを探すのは簡単だからね。

もともと僕は目利きではない。なんとか直したいと思っているのだが、その原因の一つは、ついアラを探してしまって悦に入り、発展可能性に思い至らないからことがあるのかもしれない。このクセが直るには5年10年かかるだろうが、辛抱強く直していきたい。

2007-09-26

Starckの時計

休暇の時に結局買わなかったので、時計を衝動買いしてしまった。もともと持ち物に関してはあまり取っ替え引っ替えしない方で、今使っている時計はもう10年近くになる。これからも使い続けるつもりなのだが、それはそれとして、プライベートで使うようなユルい時計が欲しくなったのだ。

そもそも普段から時間に追われるような生活をしているので、休日はあまり時間に追われたくない。そんなわけで、正確な時間が読み取れないくらいでちょうどよいのだ。そんなミニマルなデザインの時計が欲しかったわけで。そんなことを思っている時にみなとみらいのクィーンズスクウェアで別の買い物をしていると、TicTacに可愛い時計があった。もちろん、すぐに衝動買いしてしまった。ルフトハンザみたいな色づかいもキュートだ。

FOSSILのStarckモデルのようだ。Philippe Starckは、悪名高き浅草のアサヒビールのオブジェのデザイナーというと分かりやすいかな。ちなみにあのオブジェは炎がモチーフだそうで。しかしそれ以外は、シンプルでミニマルなデザインが多い。

しかしこの時計、いま何時なのか全然分からない。まぁ分からなくてもいいと思って買っているのだから良いのだが。何がおかしいって、長い針らしき棒が実は時間を示す針で、短い針のように見えるS+ARCKの文字列が実は分を刻む時計なのだ。逆の方がアフォーダンスに合っていると思うのだが、それはそれでデザインが普通っぽくなってしまってイマイチなのかもしれない。というわけで、気に入っている。

これで少しは休日に時間を忘れられるかしら。何もせず何も考えない時間が無いと、ビジョンもアイデアもモチベーションも枯渇しちゃうからね。

2007-09-20

カフェテリアの安全性解析

国際学会でドイツはニュルンベルグに来ている。SafeCompという組込みシステム(?)の安全性の学会だ。欧州中心の、とても由緒ある学会である。日本人は僕の他に、長岡技科大の平尾先生がいらしている。逆に言えば、日本からはそれだけだ(あとは東北大の留学生さんが一人)。まぁ韓国もインドもアメリカも少なく中国はゼロので構わないのかもしれないが、もっと日本でも組込みシステムの安全性の研究者が増えるべきだと思う。

さてそんなわけで、平尾先生とお昼をご一緒させていただいた。安全性の分野で最も大事なのは、言わずもがな安全性解析だ。平尾先生は「ハザード解析ですよ」と言いながら、道を渡る時でも左右に注意している。さすが安全性の専門家。

一方僕はと言えば、ランチルームであるカフェテリアで、かなり派手にソースをジャケットやシャツにこぼしてしまった。ちょっとした染みなんてレベルではなく、10メートル先からでもこぼしたことがはっきり分かるくらい。手提げカバンを持っているのでトレイを片手で持っており、かなり長い間こぼれていることに気づかなかったのだ。不覚。

しかし不覚なのは、こぼしたことそのものではない。片手でトレイを持つ際のハザード解析やFMEA、HAZOPができていなかったことを始め、安全性の学会に来ているのに安全性解析の基本がなっておらず事故が起きてしまったことだ。しかも、昨日あぶないなと思っていたのに、そのヒヤリハットも活かせてない。こぼしたことを検知する機構も備えていなければ、こぼれても大丈夫なようにトレイを離して持つという機能安全も達成できていない。これでは安全性の研究を始めましたなんて、口が裂けても言えないわな。

う~ん、精進が足りませんね...。頑張ります。

2007-09-10

グァムは日本人ばかり

休暇でグァムにいる。外国のはずなのだが、グァムに来てから見かけた人は日本人の方が圧倒的に多いぞ。レストランも9割は日本人だし。そもそも、ほとんどのところで日本語が通じるし。

というか、僕が日本人のいるようなところしか行ってないのか。 (^^;

これでは、高林哲さんの「いやな法則」だ。
曰く「世の中が狭いのではなく、自分の世界が狭いだけである」

けだし名言。

2007-09-07

評価開発

特に研究者に多いが、ソフトウェアテストと聞くとプログラムのホワイトボックステストを思い浮かべる人が多い。もちろん1970年代前半はそうだったのかもしれないが、現在は違う。

テストと似たような活動に、レビューやインスペクションがある。バグを見つけるという意味では、形式検証もあるだろう。この際、メトリクスを測定する活動も含めてしまおう。これらは、プロジェクトの様々なフェーズにおいて、様々な手段で、様々なソフトウェアの特性を調べる活動と考えることができる。これをここでは、評価と呼ぶことにしよう。

そう、テストとは、ソフトウェア評価のうち、ソースコードの出現後に実施される動的検証という、一つの手段を意味する。でもまぁ、この分類にはあまり意味はない。

意味があるのは、こうした評価の活動には全て分析・設計が必要だという点である。言い替えると、評価開発になるかな。プログラムを開発することと同じくらい、評価項目や評価手段の設計というのは難しいのだ。だから、頭を使って方法論を構築し“開発”すべきである。

仲でも、評価戦略の策定は重要だ。開発しようとしているソフトウェアにおいて評価すべき特性にはどのようなものがあり、どのような手段、どのような単位で測定できるのか。各評価手段は、どのように棲み分けて、補完しあうのか。それらが製品価値にどのようにつながっていくのか。こうした評価戦略を決めないといけないのだ。しかも上流でね。

ソフトウェア開発の現場では、評価活動全体を俯瞰的に捉えている場合はあまりないだろう。しかし開発項数の5割以上を評価に割いており、評価工数が足りない足りないと騒ぐのであれば、評価を俯瞰的に捉えて“開発”すべきである。そうしないから、評価工数が爆発したり、評価漏れで不具合が市場に流出するのだ。

テストの方法論は、最終的に評価開発の方法論に昇華すべきだし、しなくてはならないだろう。その第一歩として、テスト戦略を立ててテストレベルやテストカテゴリに分割してみるとよい。慣れてきたらレビューの観点を加え、形式検証、メトリクスと増やしていけばよい。

我々メソドロジストも、評価全体を視野に入れて方法論を構築しないとね。これはなかなかチャレンジングだが、楽しい作業だと思う。

SQiP Future Award

うちの研究室の博士課程の学生、いやもはや研究スタッフと言った方がよいだろう、の河野くんがソフトウェア品質シンポジウムでSQiP Future Awardという「将来役に立つ可能性を秘めた発表」を選ぶ観客からの投票による賞をもらった。とても頑張って研究していたので、こちらも嬉しい限り。よかった、よかった。

2007-09-06

ソフトウェアの開発技術がハードウェアの設計技術を進化させる?

今日はソフトウェア品質シンポジウムに参加。午前中はトヨタの重松さんの基調講演だ。クルマのエレクトロニクスの進化などを興味深く聞くことができた。

せっかくなので質問したところ、気になるフレーズを聞いた。「ソフトウェアの開発技術がハードウェアの設計技術を進化させるかもしれない」という一言だ。多分、こういう考えを持っている人は、ほとんどいないはずだ。僕は、僕と自分の指導教官以外でこのことを話している人を見たのは初めてだ。

ちょうど某連盟の広報誌に似たようなことを書こうと思っていたので、書き終わったらアップしようかな。

2007-09-05

Tech-On!:「あなたの行っているテストに戦略はあるか」

Tech-On!の記事で取り上げられました。僕はアロハで写ってますね。大森さん、ありがとうございます。

いろいろと改善点はありましたけど、このテスト戦略ワークショップを発展させて、全国行脚するつもりです。参加者の皆さんに当日書いていただいたテスト戦略は、ヒマを見て電子化してアップロードします。少々お待ち下さい。

ところで、テスト戦略をシーケンス図で描くなんて言ったかなぁ...。逆に考えれば、描けちゃうのかなぁ。少し考えてみようかしら。

2007-09-03

QBGタカギのジュレ

先週は忙しすぎてblogが更新できなかったのだが、色々他の人と話したり考えたりしたので、それについてはゆっくり書くことにする。とはいえ来週は休暇なので、いつになることやら。

今日は夕方まで大学で仕事の後、明日の集中講義のため博多へ移動。品川経由で羽田へと急ぐ。

暑くなる前は羽田に笹巻きえんがわずしという名作があったのだが、夏になってからはトンと見かけない。ムチャクチャ好物だったので残念だ。早く復活してほしい。秋になったら食べられるかしら。6月だか7月だかは佐賀牛の弁当があり、こちらも美味だった。しかし現在は、それほど心を躍らせる空弁は無い。

そもそも羽田には、ウキウキしてしまうようなスイーツのお店が少ない。もちろんピエール・マルコリーニはあるが、僕はあまりチョコが得意でない。期待していなかったが、もちクリームもハズレだった。キハチに至っては、ソフトクリームなので持ち運べない。パステルがあるが、毎回では飽きてしまう。

なので羽田で買う前に、品川の駅ナカであるEcuteに寄る。そこそこマトモなものが買えるので重宝している。というわけで、沼津魚がし鮨でにぎりのセットを買う。

Ecuteはスイーツのお店も結構あるが、何となくいつもQBGタカギに行ってしまう。ここはQBGというハチミツ屋さんと、ル・パティシェ・タカギという深沢不動のところのケーキ屋さんとのコラボだ。高木さんは郁恵・井森のデリ・デリ・キッチンにも出演していたので、かなり有名だと思う。キットカットは不味かったけどね。

ここで最近お気に入りなのは、シンプルなはちみつのジュレだ。メープルかな。少しレモンの酸味があって、サッパリしているので駅弁・空弁のデザートには最適だ。保冷剤も入れてくれるので安心。

このジュレ、とっても優しい味がする。一般にジュレというのは、腕が悪く固めすぎてしまったり、技巧に走って果実味が強すぎたりと、意外にバランスが難しいスイーツだ。若いうちはたっぷりの果実味でもよかったが、最近はシンプルかつ優しいものに惹かれるようになってきている。タカギのこのジュレは、変な混ぜものの味もしないし、甘味が強すぎることもないし、鼻につく果汁臭も無い。何の変哲も無いといえば無いのだろうが、スッと身体に入ってきて、サッと消えてしまい、フワッとした後味が残る。それだけ。それだけなのだが、つい買ってしまう。

もう少し時間があれば外のカフェでお茶でも、と思うのだが、イートインなのにフォークはプラスティックだわ、詰め込んでるので席は狭いわ、禁煙じゃないので近くに喫煙者が座るとケーキやお茶の香りが台無しだわで、気が引ける。むしろ持ち帰りにして新幹線や飛行機の中で食べた方が、妙な期待をせずに済むだけよいだろう。

甘いものが好きな人は、レジ横にあるはちみつのキューブを買ってもよろし。パッケージの猫が可愛いのもあって、疲れた時は和みます。こちらもオススメ。